これは2003年の話です。
旅の始まり9月の初旬。アニキから、道東のとあるキャンプ場に長期滞在している「よもぎ兄さん」という人物の話を聞きました。
彼はキャンプ場にやってくるライダーに、
「よもぎいらない?よもぎ。」
と声をかけ、“よもぎ”なるものを一つ100円で売りながら生活をしていたそうです。
私は北海道初心者のため、この話を聞いた段階ではなんのことだかさっぱりわかりませんでした。・・・よもぎ??よもぎってなんだ??
アニキは答えてくれました。
「大麻だよ。」
北海道には大麻が自生しているらしく、よもぎ兄さんはその大麻を乾燥させて売りさばいているということでした。・・・恐ろしい!なんて恐ろしい人!!健全な(?)ライダー相手になんてことを・・・。
でも彼の存在は私の興味を惹くには十分でした。
私はこのよもぎ兄さんのことが気になって、宿泊先でこの話をしながら情報を集めていきました。話には聞いたことがあるという人から、実際にそのキャンプ場で会ったことがあるという人までそれぞれ。
そして。
旅も後半にさしかかった9月の終わり。
いつものようにお宿のライハでこの話をしていると、とあるライダーが口を開きました。
「彼なら捕まったって話だよ。」
・・・なんと。ついにお縄になったか。
アニキから話を聞いた段階で、彼のウワサは警察に伝わっているというニュアンスでしたが・・・。そうね、ついにね・・・。
しかし同じキャンプ場で滞在しながら乾燥大麻売るなんて、捕まえてくれって言ってるようなものですよ、彼はなんておバカなことをしていたんでしょうか。
道東には大麻が自生している場所がけっこうあって、簡単に見つけることができます。(余談ですが、積丹にはトリカブトが自生しています) が。くれぐれもこんなことはしないでくださいね。旅中お金がほしくなったら潔く、
「男はだまってシャケバイ。」
といきましょう。