賀老の滝

 がんばりさえあれば、かなり間近で見ることができる、北海道随一の規模を誇る滝。
 まず滝を眺める展望台までたどり着くのに約20分ほど山道の石畳を下らないといけないのが難点。やる気さえあれば、展望台からさらに川辺を伝って滝のしぶきを浴びるほど近くまで行くことができる。が、川辺といっても大きな岩がゴロゴロしているので一筋縄ではいかない。身軽な人、好奇心旺盛な人はぜひトライ。



 賀老の滝・・・北海道の旅で最も難所でした、体力的な意味でorz
賀老の滝へ!でぬりんさまより。
 駐車場から少し歩いたところにある滝への入り口。大きな滝だと聞いているのに水音が全くしないところからして、かなりの距離が予想できました。あ〜〜、これ結構疲れるかもしらん。そう思いながら、パピィと一緒にひたすら続く山道、石畳を下っていく。基本的に自分は山猿なので、こういった山道は苦どころかむしろ楽しんで進んでいく。
 しばらくすると、滝の姿は見えないものの緑に囲まれた状態で少しずつ滝から流れ落ちているであろう水の音が聞こえ始める。
 水音が聞こえ始めて約5分、ついに展望台に到着!いや疲れた。しかしこの展望台からじゃ木々に邪魔されて全景は見えないし、なにより遠すぎる。なんのためにここまで苦労してきたんだか。 あ、よくみたら川べりまでは道があるな。よし・・・

「パピィ、せっかくだから行けるところまで行ってみようよ!」
「え、まじ!?俺はエエけど、大丈夫なん??」

 この時、私の中からはすさまじい勢いで好奇心が溢れ出していました。こうなると疲れ、恐怖、あと先といった概念は完全に消えうせて前に進むことしかできなくなります。
 私は勢いよく展望台から飛び出し、自分よりも大きな岩がごろごろしている川べりをぐんぐん進んでいきました。せり出している木に捕まって岩を乗り越えたり、岩と岩との間をジャンプしたり、靴を脱いで冷たい水の中を歩いたり。

 ・・・展望台を出て15分くらいたったかな。進んでいる時には目の前の岩しか見ていなかったが、はっと気がつくと目の前には大きな滝がドーンと迫ってきていた。それに加えて滝のしぶきがほんのり飛んでくる。ここから先の岩にはコケが生しているようで、これ以上進むのは若干危険だと判断できる。
 少し遅れてパピィが到着した。いっけない、前に進むことで頭がいっぱいになっててパピィのことすっかり忘れてました。
「早い・・・ちょっと待ってや・・・」
 パピィは明らかに疲れた様子。しかし残念なことに自分の中では“間近で見たい欲求”が激しく湧き上がってきていまして。ごめんよ、パピィ・・・。
「ねぇ、ちょっとここで待ってて。私、行けるところまで行ってくるわ。」
 そういって靴と靴下を脱ぎ捨て、ジーパンをたくしあげた。この先の岩にはコケが生しているので、靴を履いては進めない。足の裏でしっかり岩の感触を確め、掴まないと危険だ。

 パピィのもとから5分。ついに滝つぼまで行き着いた。

 すごい、ものすごい迫力。

 名所の滝はたいてい遠くの展望台から眺めるしかできないが、おせじにも巨大とは言えない滝でもこんなに間近で見るとものすごい迫力がある。ヘタな滝なんかよりよっぽどすごい!!滝つぼまで20mほどあるかな?全身に水しぶきが飛び込んできて、火照った体に心地よい。自分の耳に入ってくるのは滝つぼの轟音のみ。他には何も聞こえない。周りを見渡すと、滝の両サイドは絶壁で囲まれている。これもまたすごい迫力だ。
 でも気になることがひとつ。こんな山の中にあるはずなのに、川の水があまりきれいではない。というより、若干汚れているような印象すらある。上流に町でもあるのかなぁ??
 ここでしばらく汚れたマイナスイオンを浴びていると、これまでの好奇心が満たされ、興奮が冷めていく。あぁ、一気に疲れが・・・。


 帰りはもう何も考えられないくらい遠かった。パピィが待っているところで靴をはき、まずは展望台を目指すも帰りは明らかにパピィに遅れをとっている。展望台から山道入り口までは、まさしく地獄だった。息があがる、きれる。足が重い。前に進まない・・・。パピィに手を引かれながら、何度休憩をとりながら上まで歩を進めたことか。

 上までたどりつくころにはもう全てが終わったかのようになってしまっていて、寒い9月の北海道でシャツ1枚になって道端に転がり死体のようになって何もできませんでした。滝を目指して横を通っていく人はどんな思いでこっちを見ていったんだろう・・・ああでも、そんなこと全く気になりませんでした。恥よりも体力回復、つまりはゴロ寝が自分の最優先事項だったんだもんなぁ。(→引き続き、ドラゴンウォーターへ)

疲労感:☆☆☆☆☆ 山猿度:☆☆☆☆ オススメ度:☆☆☆☆☆

賀老の滝はこちら  賀老の滝とその周辺地図

賀老の滝。間近で見たら大迫力!でぬりんさまより。

 間近まで行けるのがこの滝の価値です。展望台で終わるようなら体力の無駄遣いなのでオススメしません。行くなら、滝つぼ。めざせ、滝つぼ。

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